お寒うございます。今日は日本の「大地力」とでも名付けたくなるような事象について、お話しします。
最近、全国でパワースポットに対する関心が高まっており、神社や寺がさまざまなパワースポット・リストに名を連ねるようになっていますが、信仰や伝承という由来はさておいて、いったい世界的にどういう場所がパワースポットと呼ばれるのか、調査を始めています。きっかけは、四国の屋島を調査したことでした。
 
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  上: 四国、讃岐の屋島  下:同じく、そばにある壇ノ浦
 
 
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世界を見ると、どこでも聖地として通用するのは大地に驚異の現象が刻印された部分があるところ、ということになるようです。たとえば、オーストラリアならエアーズロック、アメリカ合衆国なら西部劇の舞台でおなじみモニュメントバレーや岩肌が彫刻されたかのように削られたアリゾナのセドナ。ドイツならエルベ渓谷のとんでもない奇岩群「バスタイ」。近くならフィリピンのボホール島で見られる、これまた気絶するようなコーン型の山の大集団「チョコレートヒル」など。
 
 
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上:エルベ渓谷「バスタイ」下:フィリピン・ボホール島のチョコレートヒル
 
 
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どこも地球の地形造形力はものすごいと思わずにいられません。このパワーを浴びたくなるのは、生物の本能みたいなものでしょう。
私たちが住む地球は、年齢がおよそ45億年。そのあいだずっと、火山の爆発や風雨の浸食で地球の眺めが絶え間なく変化してきたわけです。ときどきは、こんな奇跡的な風景がどうして造れたんだ、と思うような「奇観」も誕生し、私たちの先祖はそれを神や精霊が宿る「不思議な力のある場所」、すなわち聖地とあがめたのですね。
でも、正直なところ、ここまですごい地形なんて、日本にはないだろうな、と半分あきらめていました。ところが、ひょんなことで、四国は讃岐にある聖山「屋島」がパワースポットらしいので調べてほしいと頼まれました。源平の合戦があった歴史的に名高い場所ですが、これが「島」なのか「山」なのかすら、深く考えたことがありませんでした。でも、あまり期待せずに案内していただき、いろいろ調べたところ、驚くべき事実にぶつかりました。
 
屋島はエアーズロックやセドナなど外国の大パワースポットと同じ力が大地に働いた地形だったのです。大昔、この一帯には火山があり熔岩を噴出していました。それもかたい熔岩で、柔らかい熔岩が流れ落ちて扇型になった富士山のようなタイプとちがい、上の方が巨大な塊になるのです。川や海、あるいは風雨がこの地層の下の、柔らかい部分を削り取って、固い岩塊を頭に載せたような、切り立った構造物を作ったのです。チョコレートヒルも熔岩とサンゴ礁の違いはありますが、同じプロセスでできあがった場所です。
 
さっそく屋島に登り、地形と生物などの関係を調べました。そして、調査を忘れて、とりこになってしまいました。あの屋根をかぶせたような独特の島、いや山は、まちがいなく「メサ」と呼ばれる、日本にあまり類のない自然の傑作でした。屋島の周辺には、このメサが生んだ奇岩や山が群立してもいました。
メサとは、長い時間かかって自然が彫刻した壮大な「残丘」と呼ばれる地形です。火山活動などで上を被われた地層が、下の柔らかい地層だけ風や水に削られ、不思議な台形やキノコ形になったもの。その神秘的な形に、人間は精霊の存在を感じ、その聖地のそばで文化や文明を生みだしてきたのです。
久しぶりの風水的驚きです。今の私は屋島に好奇心を燃やしています。ここは地形から見ても「ヴォーテックス」すなわちパワースポットなのですから。つまり、屋島は第一関門ともいえる自然の力が途方もない形で働いた混成です。これから何度か通い、屋島の秘密を探ってきます。古代人も源平も、この屋島の地質学的な驚異を感じて、古くから聖地としてきたのですね。
そうそう、甘党の私にはもうひとつうれしい発見がありました。屋島の入り口に「わらや」という讃岐うどん屋があります。大きな器で豪快に出てくるうどんもすごいですが、あがりには飛び切りうまいお萩を食せるのです。このお萩東京ではお目に掛かれない不思議な美味しさでしたので、6個テイクアウトしました。
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