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アラマタの視力を回復させるレーシック手術を担当していただいた慶應大学の坪田先生が、じつはアンチエージングの先端医療にも関わっておられると聞き、現在苦戦の最中にある徐福の物語創作(始皇帝により不老長寿薬発見の航海に遣わされた人物)のため、なにかヒントを得られないかと思い、お話を伺いに行った。
 
そうしたら、当然、レーシック手術後の眼の状況を訊かれ、強度のドライアイが十分に回復していないことを教えられた。このドライアイはレーシックとは別の次元の現象で、いまやもっとも重要な眼科の課題となっている。自分では全く自覚がないのだが、何度も眼をぎゅっと閉じるのは、このせいだそうな。なんとかなりませんか、と尋ねたら、最新の手術法がある、とのこと。坪田先生は老眼を手術で治す驚きの技術とともに、ドライアイ改善が期待できる方法も導入している。
 
「いわばハイテクを使う最新手術法ですが、原理はアナログです。ドライアイは、溜まった涙を流す排水孔に栓をすること、老眼はピンホールカメラの原理を利用すること」とおっしゃる。それから話が脇道にそれ、逆にアラマタの読書法について聞かれたので、「布団の中とか、トイレの中とか、電車の中がいちばん集中して読めます。でも、もっとも好きなのは風呂で読むこと。毎晩一冊を1時間以内で読了しても、全然疲れません」と答えたところ、先生の回答が、まさに「眼からウロコ」だった。
 
「アラマタさん、風呂でいちばん本が読めるのは、ドライアイがなくなるからですよ。風呂の湯気が眼の表面をいつも潤してくれるんです。じつは私もドライアイで、こうしてお茶がでたときは5分ほど眼にあてるんです。そうしますと、ドライアイが見事に改善しますよ」そういって、コーヒーのカップを眼に当てられた。アラマタもマネをして眼にあてたところ、じつにいい。
 
そうか、おいらが風呂で読書するのが好きな原因は、ドライアイにあったのか!お茶を運ぶ人が怪訝な顔で通り過ぎたが、これからは喫茶店で、まず眼に湯気を飲ませることにしよう。
 
さて、肝心のアンチエージングの話だが、これも驚きの連続だった。ワインを飲みつづけるフランス人に心臓病が少なく長寿である理由から始まり、東洋人が愛飲するお茶の話、長寿遺伝子の発見秘話、ミトコンドリアと長寿の因果関係、そしてとどめは、植物の「環境異変予知能力」と、それが動物にも警告として伝わるという途方もないメカニズム理論まで、興奮の連続だった。これで、アラマタの徐福物語は現代医学の後ろ盾を得た。さっそく物語の大改訂にかかり、ついにわが手を離れそうだ。