2009年07月

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皆既日食フィーバーの興奮さめやらぬ日本列島だが、行ってきました、アラマタも。ホノルルから飛鳥Ⅱに乗船。船上での皆既日食観察の報告だ。

7/12サンフランシスコから到着する飛鳥Ⅱの入港を待って乗船。13日ホノルル出港、横浜入港が24日。通常は中7日だが、今年は小笠原付近で日食観察があるため2日長い中9日となる。計算が合わないのは、日付変更線があって7月17日が消滅するからだ。世界一周クルーズは、横浜から西へ西へと地球を一週廻って横浜にもどるまで、1時間、あるいは30分と時計を遅らせる作業を続けてきたため、1日25時間の日や、24.5時間の日などが20数回あってその帳尻をここで合わせる。

日食本番の22日を前に、数日に渡ってプロカメラマン青木勝さんによる写真教室や、星のエキスパートIさんによる日食観察の仕方の講義が開かれた。船室に日食観察グラスが配られると、船内はいやおうなくエクリプスフィーバーに包まれる。天気予報はあまり良くない。船内を歩けば、必ずお客さんに天気はだいじょうぶか、ときかれる船長は、天気図を見ながら雲の無い海域へ移動するとのことだが、心なしか、顔色が悪いような・・・・?

22日朝、目覚めるとすぐにカーテンを開けて天気を確認。晴れてる!!!しかもベタ凪!!やったね、船長!!正確な時間は計算できないが、11時ごろから太陽が欠け始め、12:23ぐらいに皆既状態になり6分40秒ぐらい続くというアナウンスがあった。皆既状態になるまでは絶対に肉眼で太陽を見てはいけないとの注意が、再三再四繰り返される。南中高度が86度で、ほぼ真上を見上げる格好になりそうだというので、デッキチェアの確保に走るひとや、デッキ上にタオルを敷いて、花見の場所取りのようなひとも。

11時過ぎ、11デッキ、12デッキに人が集まり始める。気温30度だが、体感気温はもっと高い。上の階に集まっているのは、事前の説明会でIさんが話していた“シャドウバンド”をみな期待しているのだ。太陽が月に完全に隠れる皆既状態の直前と直後に西の方から黒い闇(シャドウバンド)が秒速580mでやってくるのが見えるという。これはめったにみられる現象ではない。今回は期待できそうだというので、アラマタがカメラ担当、マネージャーはデジカメの動画でシャドウバンドを撮影することになった。

太陽が上の方から欠けはじめました。11デッキ前方でIさんがマイクで説明している。日食グラスを通して太陽を見上げると、確かに欠けている。ゆっくりとゆっくりと月が太陽を覆っていく。太陽の力はまったく衰えず、焦げている感がある。皆既になるまであと1時間以上ある。10分もするとお客さん達は飽きてしまい、北硫黄島あたりから追いてきたカツオドリのトビウオ漁に興じはじめた。おもしろいことにカツオドリ派とトビウオ派に自然に分かれ、それ逃げろだの、やれ急げだのと大騒ぎになっている。一旦部屋に戻った人もいて、ちょっと間延びした感じになった。

11:50頃 半分ぐらいに欠けて、暑さがやわらいで風が涼しくなった。
12:10ごろには、あたりが薄暗くなり、水平線が夕焼けのようなオレンジ色に変わってきた。しかもそれが360度だから凄い!

12:26 皆既日食始まる。「日食グラスをはずして結構です」とアナウンスがあり、肉眼で観察。これからはわれわれのデジカメでも撮影可能になった。光量が少ないので、シャッターが下りるのに時間がかかり手振れして失敗の連続。サウロンの眼のようなネコ目写真になってしまった。鳥や魚が騒いだり、異常な行動をとることはなかった。太陽観察に夢中になって忘れていたけれど、皆既の6分40秒の間、あのカツオドリたちはどうしていたのだろうか。

12:32 月の影から太陽が顔を出し、ダイヤモンドリング。一瞬顔を出した途端、闇がすーっと引いていった。太陽のエネルギーのものすごさを実感。この少し前から、肉眼で見るのはやめてください、のアナウンスがさかんに流れる。空を見ずにストップウオッチを見続けていたタイムキーパーに感謝したい。

結局、シャドウバンドは見えなかった。海が暗いので分かりにくかったのでは?というおおかたの意見。

このあと延々と13:52まで天体ショーは続いたが、ランチタイムが13:30までなので13時ごろにはすっかり人もはけて、最後まで残っていたのは、日食マニアやプロカメラマンだけだった。アラマタは、カツオドリとトビウオのバトルをなんとか写真に収めようと、もっと海面に近い7デッキへと移動。世紀のトータルエクリプス体験は終了した。

☆ ギネス申請か?
一隻の船でこれだけ多くの人間が同時に皆既日食観察をした記録は、まだ無いそうで、ギネス申請するとか、しないとか・・・。アラマタは図らずもギネス記録参加者となるのか?!楽しみだ。ただ、来年7月にクック諸島で皆既日食が見られるので、タヒチあたりから大型客船が記録更新してしまう可能性はあるなァ。
  
写真カバー  ネコ目になってしまった皆既日食 ロード・オブ・ザ・リングのサウロンの眼のようだ。 撮影アラマタ
写真1  準備万端   
写真2  プロカメラマン青木勝さんによる皆既日食 プロが撮るとこうなる。
写真3  青木さんのカメラと手作りフィルター  青木勝さんは、元JAL専属の航空写真家で、今回飛鳥Ⅱワールドクルーズ全区間に乗船し旅の記録を撮っていた。日食撮影には専用のフィルターが必要で、装備不十分だとレンズが壊れることもあるという。あまり日食には興味がなかったのでフィルターを準備してこなかったが、前日に船内で調達。深夜までかかって作ったフィルターがこれだ。
写真4  夕焼けのようなオレンジ色の水平線 あたりには涼しい風が吹き渡った。
写真5  カツオドリ  白い方はアホウドリかと見えたが、くちばしが違うので、シロカツオドリと判明
写真6  シロカツオドリ アホウドリのくちばしは先が丸く鈎型なっている。船に驚いて水面に飛び出したトビウオを追いかけるが、トビウオも結構早くてつかまらない。大型のトビウオは400m飛んだ記録があるそうだ。
写真7  客室に配られたアスカデイリーと日食グラス
写真8  飛鳥Ⅱの軌跡。雲の無い海域を探して移動している。ループを描いている辺りで日食観察が行われた。22日正午現在
■緯度/N25°12'
■経度/E142°09'
■天気/晴れ
■気温/30.0℃
■速度/15.1ノット
写真9  付近には別の客船3隻(パシフィックビーナス、ふじ丸、コスタクラシカ)が日食クルーズに来ていた。うち一隻はトカラ列島へ向かう予定を急遽変更してきた。写真はイタリア船のコスタ・クラシカ
写真10  本格派の方々。ホノルル~横浜間だけ乗船したお客さんも30人ぐらいいた。

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ポツダム→デッサウ→イエナ
ポツダムから世界遺産デッサウ・ベルリッツ庭園王国へと向かう。前夜、ベルリッツ庭園をカーナビに登録しようとしたが、ドイツ語特有のWörlitzのウムラウト(Oの上に点々)がどうしても入力できず、苦しんだ挙句断念して寝てしまった。慌てて車内で智恵を出し合い、地図上から公園らしき緑の一帯をみつけ、目的地に設定。途中のサービスエリアで地図を買って確認しながらのドライブとなったが、なんとか近くまで来たようだ。安心したのもつかの間、ガーミンが突然、「200m先フェリーに乗ってください」「230m先フェリーを降りてください」と指示を出した。その一瞬、全員が凍りついた。ドイツの中央部に海は無い。入力が間違っていたか、あるいはガーミンご乱心か?!地図で確認すると、方向はあっているようだ。もう少し信じてみるか、と進むと、あった、あった、ありました!!幅30mぐらいの川が!!!(写真1)

川岸についたら、立て札に小さな鐘と木槌がぶら下がっている。(写真カバー)これを鳴らして呼べということらしい。鳴らしてみると、矢切の渡しのようなイカダが戻ってきた。(写真2)やれやれ。川を渡ってしばらく指示通りに進むと、大草原の真ん中に出てしまった。たしかに、緑の公園らしき物の中央あたりに設定したので、間違いではない。仕方が無いので、近くの案内板を探して(写真3)やっと目的のベルリッツ公園内、ゴンドラ乗り場にたどり着いた。

ベルリッツ庭園王国はデッサウ郊外にあるヨーロッパ大陸で最も古く、最も広い英国式庭園。アンハルト=デッサウ候レオポルト3世が留学先のイギリス、フランス、オランダなどで影響を受け、227エーカー=142km2=28万坪の広大な敷地に7つの公園、5つの宮殿、他の建造物を造った。徒歩で回ったら数日必要だが、ゴンドラなら40分程度で庭園全体を一周できるというので、ゴンドラに乗ることにしたのだ。(写真4.5.6.7のような、宮殿やら、橋やら、金の壺やらが川沿いに配置してある。)風が強く、女性のガイドが一所懸命漕いで所要時間55分だった。

ヴェルリッツ→バウハウス
バウハウスとは、1919年にヴァイマールにできた造形芸術学校だ。(写真8 設計グロピウス)当時の社会状況からヴァイマール、デッサウ、ベルリンと拠点を変えて活動を続けたが、結局ナチスの圧力で1933年閉校を余儀なくされた。直訳すると「建築の家」だけれど、家具や舞台美術、絵画、ポスター、写真なども手がける総合芸術学校で、ワシリー・カンディンスキーやマルセル・プロイヤーなどもここの出身だ。初代校長はヴァルター・グロピウス。目指したのは「芸術と工業技術の統合」で、それまでの過剰ともいえる装飾を廃した、機能的ですっきりしたデザインが特徴。わずか14年の短い活動期間でありながら、世界に与えた影響は計り知れない。例えば、世界最初の外階段式集合住宅(写真9)は、日本のマンションにも多く取り入れられたし、スチールパイプ椅子を世界ではじめてデザインしたのもここだ。

校舎を見た後、バウハウス建築が集中して残っている地区を探して移動。

見学のあとは一路イエナのホテルへ。三日目終了。

本日の世界遺産 (観光的見地から)
・ヴェルリッツ庭園王国 (・_・) 時間がたっぷりあって、他に行くところがなければ ○
・デッサウ・バウハウス (・_・) 建築やデザインに興味のある方は○、それ以外は△
 校舎以外は住宅街にあって(写真10バウハウス建築)、観光客にこられても困るだろう。案内所もないし、この立て看板(写真11)が1枚あるだけだった。

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カバーの写真は、「アラマタ・ジョーンズ」。WOWOWが7/12(火)インディ・ジョーンズシリーズ4タイトルに加えて、考古学者たちが作品の歴史的背景などを詳細に解説するドキュメンタリー「インディ・ジョーンズ 秘宝の謎」もOA。そのナビゲーターとして、アラマタ・ジョーンズが登場する。各5分番組で、その後に本編が続く。シリーズ物を一気に見ると凄い発見がある。例えば、「レイダース 失われたアーク」の最後のところでアークが格納された倉庫が再び続編に登場してきたり。どこでどんなふうに出てくるかは、見てのお楽しみというところ。
#1ナビ11:25~30 本編「秘宝の謎」 
#2ナビ13:10~15 本編「レイダース 失われたアーク」 
#3ナビ15:25~30 本編「インディ・ジョーンズ魔宮の伝説」
#4ナビ17:40~45 本編「インディ・ジョーンズ最後の聖戦」 
#5ナビ19:55~20:00 本編「クリスタルスカルの王国」

無呼吸症
無呼吸症について御心配いただき感謝にたえない。CPAP(治療用マスク)はメガネと同じで、根本治療ではないけれど、付けているときは症状が治まり、目覚めは快調。血圧も安定してきた。同様の症状に悩んでいる方は、重い腰をあげて受診されてみては?

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『アラマタ大事典』に続く第2弾『アラマタ人物伝』が6月26日講談社から発売になった。『アラマタ大事典』はありがたいことに、巨匠北野武監督がたいへん気に入ってくださり、お目にかかる度に第2弾はまだか、とのお言葉をいただいていた。遂にでたので、お送りしま~す。(写真2)

茂木さん
雑誌季刊「怪」の対談で超多忙の茂木健一郎さんに時間を割いていただいた。大好評「荒俣宏の脳内異界探偵」第二弾で、「『脳』と『お化け』の謎に迫る!」だ。なぜ人はお化けをお化けらしく感じるのか、そして怖がるのか、をたっぷりとトーク。残念ながら誌面の都合で60%は削られているが、それだけに濃ゆーい中身になっている。7月発売。(写真3)

鏡さん
パシフィコ横浜で開かれている「海のエジプト展」の内覧会に参加。アレキサンドリアの海に沈んでいた古代エジプトの遺物を展示している。主催の朝日新聞のサイトに発見から引き上げまでの海底での作業写真がアップされている。実に神秘的。
http://www.asahi.com/egypt/making01.html
うれしいことに会場でばったり鏡リュウジさんにお会いした。アレクサンドリアは占星術の歴史に関わり深い都市だそうだ。(写真4)

出口に海洋堂のガチャが。(写真5)
海のエジプト展(写真6)

告知2
8月13日 18:00~19:30 「荒俣宏の夏の夜噺会」
水天宮のロイヤルパークホテルにて開催、軽食付。
日本橋界隈の怪談話をお話しする予定。詳細は後日あらためてお知らせします。
http://www.rph.co.jp/info/inf00110/001599.html

河童展
湯島のはぐろ洞で「河童展」が開催されていた。このあたりが微妙で会期は終了したものの、まだ展示は行っているので、興味のある方はいってみては?アラマタも最終日にぎりぎり間に合った。展示作品のうち、アラマタが以前から気になっていた作家さんの江本創さんの作品(いや、江本さんが探してきたものといっておこう。)も2点展示されている。
これは凄い!!のひとこと。その他、力作ぞろい。(写真7,8))

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